挙式スタイル 教会式・人前式・神前式・仏前式の違いって?歴史や特徴をご紹介!

国内挙式

挙式スタイルは主に、教会式・人前式(じんぜんしき)・神前式(しんぜんしき)、仏前式(ぶつぜんしき)と大きくわけて4つのタイプがあります。1番ポピュラーなのは教会式(キリスト教式)というチャペルのバージンロードを歩き、牧師さんを目の前にして行う挙式スタイル。ですがその他の挙式スタイルは聞き慣れないものあり、また違いもあやふやという方も多いのではないでしょうか。
それぞれの歴史や特徴を知る事で、自分にぴったりの挙式スタイルがきっと見つけらるはず。メリットやデメリットも一緒にご紹介していきます。

教会式(キリスト教式)

教会式でまず思い浮かべるのが、壮麗なステンドグラスが埋め込まれた洗練された空間と、長いバージンロード・・・。そして祭壇にいる外国人の牧師(神父)さま。
牧師様はプロテスタントの教役者・教職者の敬称で、神父様とはローマカトリック教会で叙階を受け、儀式や典礼を執行する司祭の敬称です。カトリックはバロック建築やゴシック建築といった歴史がある豪華な大聖堂や教会。プロテスタントは逆に親しみやすい街にあるような教会が多く、祭壇の十字架にキリスト像がついていないのも特徴です。
せっかくなら豪華なカトリックで式をしたい!という方もいると思いますが、カトリックは信者でなければ結婚式を挙げる事ができません。その為日本においての挙式はプロテスタントの教会で牧師様が執り行うか、ホテルや結婚式場が独自に持っているチャペル(教会型の結婚式場)のどちらかになります。

牧師様を目の前にいて神の名の下に誓いを立てるのも教会式ならではの特徴。

誓い
神様のお導きによる結婚
神様の教えにそった生活
無条件にお互いを愛する
節操・貞操を守る
新たに再決断をする
誓いの言葉
新郎〇〇、あなたはここにいる〇〇を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?

新婦〇〇、あなたはここにいる〇〇を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?

問いかけに「誓います」と違いがそれぞれ返答し、その誓いの証として指輪を交換します。夫婦となったことを牧師様が宣言されたあと、新郎新婦は「結婚証明書」にサインして結婚が成立します。

他にも賛美歌斉唱、聖書の朗読、神への祈りを行うのも教会式の特徴です。

こんな人にオススメ!

トレーンの長いドレスでバージンロードを歩きたい
神に永遠の愛を誓いたい
厳かな挙式にしたい

デメリットは?

教会式は「牧師」「聖歌隊」「オルガニスト」が居る為、人前式に比べてどうしても費用がかかってしまいます。
トータルすると約10万〜の金額差があるので、なんとなく教会式にしようかな?と思っている方は人前式も検討してみてくださいね。

人前式

人前式とは参列してくれているゲストの方全員に結婚を誓うスタイル。ゲストに証人になってもらうことで挙式全体に一体感が生まれ、アットホームな雰囲気に包まれます。
決まり事がないので自由に誓いの言葉や、場所・衣装・演出を決める事ができ、宗教色がない事も特徴。
場所は披露宴会場、ガーデン、もちろんチャペルでも自由に選ぶ事ができます。司会進行の決まりもないので、出張サービスを手配するか、会場の司会者の方に進行を依頼したりと様々。

教会式では結婚証明書に誓いのサインをしますが、人前式では婚姻届にサインする事だってできるのです。ゲストに見守られる中でサインして、結婚式と同時に入籍するなんてロマンチックですよね。

色々と自分で決める事が多く時間がかかってしまいますが、その反面で費用が抑えられるのも魅力です。

こんな人におすすめ!

宗教色が強いのが苦手
費用を抑えたい
アットホームな雰囲気の挙式にしたい
オリジナリティー溢れる挙式にしたい

デメリットは?

内容や誓いの言葉まで全部自分たちで決めるので、どうしても考えるのに時間がかかってしまいます。またメジャーなスタイルではないのでご年配の方からの理解が得られにくい事も考えられます。事前に教会式ではない事を伝えておきましょう。

神前式


神前式とは「和装」を着て神道のしきたりに沿って行われる日本の伝統的な挙式です。

その起源は室町時代に行われていた武家の結婚式から続いていると言われています。その当時執り行われていた神前式は現在に比べると簡略的な内容だったのだそう。明治33年に大正天皇のご成婚を記念して日比谷大神宮で行った結婚式を機に現在の神前式のスタイルが確立しました。
三献の儀(三々九度)」や「玉串奉奠」、雅楽に合わせた巫女舞など神前式ならではの厳かで格式高い結婚式となります。

新郎は紋付袴、新婦は白無垢や振袖といった和装を身にまとい、赤い毛氈(もうせん)を花嫁行列として進みます。
神殿では、罪穢れを祓い心身を清める修祓(しゅばつ)、神に感謝し、供え物を神前に供える献饌(けんせ)、そして神職がふたりの結婚を神に奉告し、加護を祈る祝詞奏上(のりとそうじょう)。誓いの言葉である誓詞を奏上し、新郎新婦が、三つの盃で御神酒を交わし、夫婦の契りを結びます。
その後も、玉串奉奠(たまぐしほうでん)、指輪交換の儀、巫女舞奉奏儀、親族固めの盃、斎主挨拶と厳かに式を執り行っていきます。
ざっと見ただけでも多くの儀式があり戸惑ってしまいそうですが、挙式前には説明してぐださり、本番の進行も巫女が先導してくれるので、全てを覚えていなくても問題なく式を執り行う事ができるので安心してくださいね。

神前式の儀式
1.参進の儀(花嫁行列)
2.修祓(しゅうばつ)の儀
3.斎主一拝
4.祝詞奏上(のりとそうじょう)
5.三献の儀(さんこんのぎ)
6.誓詞奏上(せいしそうじょう)
7.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
8.親族盃の儀(しんぞくはいのぎ)
9.斎主一拝
10.斎主挨拶
11.退場

神前式は神社だけと思いがちですが、結婚式場やホテルの中に併設された館内神殿でも執り行うことができます。両者の儀式的な違いはありません。
しかし四季折々の風情漂う中、伝統ある歴史的な場所で挙式を執り行う事ができるのは神社での神前式ならでは。また神社には他の参拝者もいらっしゃるので、様々な方に祝福してもらえます。その反面どうしても人の目についてしまうので、そういった事が苦手という方は館内神殿の方が良いかもしれません。また館内での式は天候に左右されないという利点もあります。

その他の違いとしては、披露宴会場について。もちろん神社に隣接した場所でパーティーを行える場合もありますが、雰囲気を重視する方の多くはパーティー会場を別場所に設定されます。そうなるとどうしても移動が多くなり、ご年配の方は少し大変かもしれません。
館内ですとそのまま披露宴会場に移動できるので、スムーズに挙式披露宴を行えます。

こんな人におすすめ!

日本の伝統を重んじる方
古来から伝わる神社で式を挙げたい方
白無垢、色打掛を着たい

デメリットは?

参列者は親族のみとしている場所も多く、そうなると友人に参列してもらえません。神前式でも友人に見てもらいという方は外を歩く参進の儀の時に花嫁姿をお披露目できます。また神社の場合は天候に左右されるので、当日まで不安がつきません。雨量が少ない春がおすすめなのですが、雨季に神前式をしたいという方もいらっしゃると思います。そういった方は館内神殿を検討してみてはいかがでしょうか。

仏前式

挙式スタイルで1番聞きなれないのがこの仏前式だと思います。
仏前式とは仏様や先祖に結婚の報告をし、巡り合えたご縁に感謝する儀式のこと。「二人の結婚は前世からの因縁であり、先祖の慈悲によるもの」という仏教の教えに基づき新郎新婦が仏の前で来世までの結びつきを誓います。現世だけでなく来世での結びつきも誓い合うのというが仏前式の特徴といえます。

仏前式は先祖代々のお墓がある菩提寺、ゆかりのある寺院の本堂の他や自宅の仏壇前で、僧侶によって執り行われます。仏前式もいくつかの儀礼がありますが、仏前式ので最も大切な儀礼とされるのは念珠授与という指輪の代わりに念珠の交換をするというもの。指輪の交換を希望する方は念珠授与の後に行うこともできます。その他の儀礼としては、誓約の言葉、焼香、神前式結婚式の三三九度にあたる誓杯、親族固めの杯、法話といった内容になっています。

以前はお寺の関係者や熱心な信徒のみが執り行っていたようですが
現在では無宗教でも仏前式の考え方に賛同している方であれば挙式を行ってくれるのだそう。

仏前式の儀式
1.列席者入堂
2.式師(しきし)入場
3.献香(けんこう)
4.啓白文(けいびゃくもん)奉読
5.洒水灌頂(しゃすいかんじょう)
6.寿珠授与(じゅずじゅよ)
7.指輪交換
8.三帰礼文(さんきらいもん)
9.誓約文(せいやくもん)
10.盃事(さかずきごと)
11.式師示訓(しきしじくん)
12.報恩諷経(ほうおんふぎん)
13.普同三拝(ふどうさんぱい)
14.退場

似ているように感じる神前式と仏前式の大きな違いとしては、神前式は二人が結ばれたことを神様に報告しご加護を願うのに対し、仏前式は二人が結ばれたことを仏様やご先祖様に感謝し来世までの結びつきを誓うという事でしょうか。

こんな人におすすめ!

家族・先祖を大切にしている人
亡き先祖に見守って欲しい方
来世までの結びつきもより確かに感じたい方
国宝級の寺院やパワースポットの寺院で挙げたい方

デメリットは?

神前式同様に参列者が親族のみに限定されるため、友人などは参列することができません。また仏教はお葬式のイメージが強く、招待された方が戸惑ってしまうかも。
また輪廻転生を信じていない方や、仏の教えを否定されている方は意味をなさない式となってしまうますのでおすすめしません。しっかりと仏前式の意味を理解して覚悟を持って挙式を執り行いましょう。

最後に

いかがだったでしょうか。こうやって見ると全く違う挙式スタイルなのがわかりますね。人生の門出となる大切な挙式。2人でしっかりと話し合って納得したスタイルを見つけてくださいね。
迷っている方は、決める前にブライダルフェアに訪ねて模擬挙式のプランを探して参列してみてください。文章で見るのと実際に体験するのでは感じる事や印象がだいぶ変わってきますよ。

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